✔ 学習ポイント
公認心理師は国家資格で法律に基づく守秘義務違反や名称使用には罰則があります。資格更新の必要はありません。
一方、臨床心理士は民間資格で、協会規定の倫理綱領に反した場合に資格停止等はありますが、法的な罰則はありません。こちらは5年ごとの更新が必要です。
どちらも業務内容は似ていますが、資格取得ルートが異なるため進路を決める際は注意が必要です。
公認心理師と臨床心理士の最も大きな違いを、法的な側面に触れて説明してください。
公認心理師は国家資格であり、公認心理師法に基づいています。この法律により、守秘義務違反や名称独占違反には罰則が科されます。
一方、臨床心理士は民間資格であり、協会規定による倫理綱領違反による資格停止などはありますが、法的な罰則はありません。公認心理師と臨床心理士の資格更新の有無について、それぞれの特徴を説明してください。
公認心理師は、一度取得すれば資格更新は不要です。
一方、臨床心理士は5年ごとに資格更新が必要で、日本臨床心理士資格認定協会が定める研修会参加など、一定のポイントを満たす必要があります。
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公認心理師と臨床心理士は何が違う?
2017年に公認心理師が国家資格として誕生する以前、心理系資格の代表格であったのが臨床心理士です。この2つの資格は非常に似通っており、その業務内容もほぼ同じ。どちらもの資格でも「心理アセスメント、心理面接、周囲への援助、心理教育」といった活動を行っていくことになります。
では、その2つの資格の違いはどこにあるのでしょうか。本記事では、公認心理師と臨床心理士の大きな違いについて3つ取り上げますので一緒に確認していきましょう。
国家資格と民間資格
1つ目に挙げられるのが「国家資格か民間資格か」という点です。公認心理師が国家資格であり、臨床心理士が民間資格です。当然ですが、これらは単なる名称の違いではありません。この違いが明確になるのが、規則に反した場合の対応です。
臨床心理士が「臨床心理士倫理綱領(日本臨床心理士資格認定協会)」に反する行為を行った場合、資格の一時停止や取り消しなどの措置が取られる可能性があります。
一方、公認心理師は法律で定められている国家資格であるため、その法律に反する行為を行った場合には資格の取り消しに留まらず、罰則受ける可能性があります。例えば、秘密保持に関する条項(第41条)に関する違反を行った場合、1年以下の懲役、または、30万円以下の罰金が科されます(第46条)。
また、資格を持っていない一般人であったとしても、罰則を受ける可能性があります。それは、無資格にも関わらず、「公認心理師」または「心理師」という名称を用いた場合です(「師」という字がポイント)。公認心理師は「名称独占資格」であり、公認心理師資格を持たない人が公認心理師を名乗ることができません。もし、資格を持っていない人が公認心理師を名乗った場合、30万円以下の罰金が科されることになります(第49条)。

ちなみに「名称独占資格」とはその資格を持っている人しか、その名称を名乗ることができない資格のことです。また、医師の医療行為や、弁護士の法律相談のように、その資格を持つ人にしか許されていない業務がある資格は「業務独占資格」に該当します。民間資格の場合は、このような法的根拠のある使用制限はありません。
資格更新の必要性
次に異なる点は、資格更新の必要性です。まず、臨床心理士は5年ごとに資格更新を行う必要があります。日本臨床心理士資格認定協会が開催する研修会に参加し、5年間で一定の基準(研修参加に応じたポイント)を満たすことで資格の更新ができる仕組みとなっています。
一方、公認心理師は資格更新の必要がなく、資格が取り消されない限りは永久的に利用することが可能です。「日本公認心理師協会」や「公認心理師の会」などが独自に設定する公認心理師の上位資格には、臨床心理士と同じく更新制度が設定されていますが、国家資格としての公認心理師の更新とは無関係です。
資格更新制度の違いはありますが、公認心理師、臨床心理士ともに、法律または綱領で資質向上に関する責務を明確にしている点は共通です。資格更新の必要がないからといって、資格を取得してからスキルの維持や向上に努めなくても良い、というわけではないので注意したいですね。
資格取得までのルート
最後に挙げられるのが資格取得までのルートです。公認心理師も臨床心理士も、基本的に「大学院を修了して資格取得を目指す」という点では共通しています。しかし、臨床心理士が大学の学部や科目の指定がないのに対して、公認心理師は大学においても指定の科目の履修が求められます。
まず、臨床心理士資格を取得するためのルートは基本的に下記の2種類が存在します。
臨床心理士試験の受験資格を得るためには?
- 「臨床心理士指定大学院・第1種指定校」または「専門職大学院」を修了
- 「臨床心理士指定大学院・第2種指定校」を修了後、1年以上の実務経験
前述の通り、指定の大学院にさえ進学することができれば、大学の学部や履修科目は関係ありません。そのため、大学進学後に心理系の資格を目指し始めた方であっても、資格取得のチャンスは十分にあります。
また、公認心理師資格を取得するためのルートも、下記の通称「Aルート」と「Bルート」の2種類が基本的なものになります。
公認心理師試験の受験資格を得るためには?
- 心理系の大学・学部で指定の科目を履修後、大学院で指定の科目を修了(Aルート)
- 心理系の大学・学部で指定の科目を履修後、2年以上の実務経験(Bルート)
公認心理師資格を取得する場合、大学で指定の単位を取得する必要があるため、大学進学前から進路をある程度決めておく必要があります。そういった点では、臨床心理士の資格取得よりも比較的に難易度が高いと言えるでしょう。公認心理師の業務内容や、資格取得の詳細については別の記事でも解説していますので、ぜひそちらも読んでみてください(記事:公認心理師とは)。
公認心理師か臨床心理士のどちらを目指すべきか
状況にもよりますが、高校生以下(大学が今から選べる状況)であれば、まずは公認心理師を目指してみてはいかがでしょうか。資格取得のルートの違いで説明した通り、公認心理師になるためには大学で指定の科目を履修する必要が基本的にあります。そのため、「選択肢を多く持っておく」という観点からすると、まずは公認心理師を目指すことがおすすめと言えます。
また、大学で指定の科目を履修しておくことのメリットとして、公認心理師と臨床心理士のダブルライセンスが目指せる点があげられます。公認心理師と臨床心理士、両方の養成に対応している大学院に進学することで、効率的な資格の取得が可能です。
心理系以外の大学生や社会人の方は、公認心理師にこだわる理由がなければ、臨床心理士の資格取得を目指すことをおすすめします。臨床心理士であれば大学の履修科目に関わらず、指定の大学院を修了することで臨床心理士の受験資格を得ることが可能です。
心理系の求人では「公認心理師または臨床心理士の資格を持っている方」が条件として設定されることが多いため、「臨床心理士資格しか持っていないため、仕事に就けない」という事態は基本的に起こらないと言えるでしょう。
公認心理師か臨床心理士のどちらを目指すか、今のご自身の状況や将来のキャリアを勘案してベストな選択をぜひ考えてみてください!
問題
公認心理師と臨床心理士の最も大きな違いを、法的な側面に触れて説明してください。
公認心理師は国家資格であり、公認心理師法に基づいています。この法律により、守秘義務違反や名称独占違反には罰則が科されます。
一方、臨床心理士は民間資格であり、協会規定による倫理綱領違反による資格停止などはありますが、法的な罰則はありません。公認心理師と臨床心理士の資格更新の有無について、それぞれの特徴を説明してください。
公認心理師は、一度取得すれば資格更新は不要です。
一方、臨床心理士は5年ごとに資格更新が必要で、日本臨床心理士資格認定協会が定める研修会参加など、一定のポイントを満たす必要があります。
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